頑張れ!女性事業家

腕を組む女性社長

帝国データバンクが、
個⼈事業主や非営利法人、公益法⼈などを除く全国約116万社を対象に調査を⾏ったところ、
2020年4月末現在の女性社長の割合は8.0%です。

女性社長の比率はまだ2ケタにまで届きません。
しかし、30年前の1990年と比較すると3.5ポイントの上昇となります。
着実に増加しています。

ましてや、帝国データバンクの調査では除かれた個人事業主を含めれば、
女性事業家は今や世の中の経済を支える重要な存在と断言できるでしょう。

私が女性事業家を応援する理由

私事になりますが、私には娘が3人います。
長女と次女はもう社会人です。

娘を持つ親の心境としては、平凡で良いから幸せな人生を送ってほしい。ただ、それだけです。
ただ、平凡に暮らすにしても、そこそこ安定した収入が無ければ厳しい。

親元を離れて生活する長女と次女ですが、
コロナ禍の中、長女は本職の方が厳しく、アルバイトもままならない状況を経験しました。
次女も転職先探しに苦戦する経験をしました。

少し前のデータになりますが、2014年版の中小企業白書によれば、
女性が起業を意識したきっかけのトップは「働き口(収入)を得る必要」でした。

複数回答が可能ではあったものの、3人に1人(32.1%)が回答されており、
そんなに高率なのかと思う方もおられるかもしれません。

ただ、娘たちを見ていると、私にはとてもリアルで、切実に感じられるのです。

2014年版の中小企業白書に掲載されたデータですから、コロナ禍が終息すれば状況が変わるというものではないでしょう。
起業し事業家の道を進むという選択肢は、これからも大変重要なのではないでしょうか。

わが娘も将来、起業の道を進むかもしれない。
そう思うと、女性の起業できる環境がしっかり整備されるよう、微力を尽くしたい。
それは結局、今、頑張っている女性事業家やこれから起業しようとしている事業家の卵を応援することではないか。

これが、私が女性事業家を応援する理由です。

身勝手な理由かもしれません。でも私には切実な問題でもあるのです。

起業を断念しそうになった経験の有無と直面した課題

ところで、2014年版の中小企業白書は、
起業を志した女性が途中で起業を断念しそうになった経験があるか、調査した結果を紹介しています。
これによると、3割近くの女性が経験ありと回答しています。

起業を断念しそうになった経験の有無を示すグラフ

そして、実際に起業を断念しそうになった経験がある起業家に対して、
どのような課題に直面したのか問うたところ、
資金調達13.8%
家族の理解・協力11.7%
事業に必要な専門知識・技術の習得11.7%
経営知識一般(財務・会計を含む)の習得10.6%
家庭との両立7.4%が上位に上がりました。

起業を断念しそうになった際に直面した課題

家族や家庭に関わる課題が合計で19%にのぼり、女性にとって重要な問題であることが伺われます。
一方で資金、また事業や経営の知識といったビジネスに関わる課題も、合計で36%に達しています。

家族・家庭とビジネスそのもの、大きくこの2つをどう解決していくのかが、女性の起業にとって重大な課題であることが分かります。

起業を断念しそうになった際の相談相手

それでは、断念しそうになったとき、女性たちはどうしたのでしょうか。

2014年版白書によると、66%の女性は誰かに相談しています。
しかし驚くことに、34%の女性は相談相手がいないのです。

起業を断念しそうになった際の相談相手の有無を示すグラフ

さらに相談できた女性も、誰に相談したかについては、
家族・親戚が38.7%
友人・知人が21.0%にのぼります。

起業を断念しそうになった際の相談相手

女性には家族・家庭という大きな問題がありました。
それを考えると、4割近くが家族・親戚に相談したというデータはうなずけます。

ただ、ビジネスそのものについては、家族・親戚や友人・知人はいわば経営の素人でしょう。
果たして適切な相談相手と言えるのでしょうか。
かろうじて起業仲間や先輩起業家17.7%が救いですが、経営の専門的知見を有している保証はありません。

起業を断念するかどうかの瀬戸際に、
3人に1人は相談相手がおらず、相談できても、少なくとも6割は素人相手に相談している。
私には、とても女性の起業環境がしっかり整備されているようには思われません。

頑張れ!女性事業家

そんな環境にもかかわらず、多くの女性が今日も起業しようとしています。
そして現実に起業した女性が、事業家として活躍しています。

「頑張れ!」
皆さんに心からエールを送ります。

そして、女性事業家やその卵たちが少しでも活躍しやすくなるには、
独り善がりと言われるかもしれませんが、

私はやはり、われわれ経営に役立つ知見を有する専門家がもっと世の中にその存在を訴え、
奮闘しなければならないと思うのです。

女性事業家は今や、世の中を支える大変重要な存在です。
及ばずながら少しでも役に立てるよう、全力を尽くしたいと思います。

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