差別化戦略の要点を自覚していますか

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皆さん、こんにちは!
社長リタイアサポーターの松田浩一です。
中小企業が生き残り、社長の幸福な引退に向けたストーリーをつくる上で差別化がとても重要です。本稿では、差別化戦略の基本について解説しています。ぜひお読みください。

差別化をめぐる懸念

私は、多くの中小企業において戦略の中核に差別化を据えながら、しかし実は「差別化もどき」にとどまっているのが相当に多いのではないか、と考えています。
もっとも、「差別化もどき」という言葉は誤解を招くかもしれませんね。

私は、多くの企業で差別化ができていない、とまで思っていません。
差別化はしているのだけれども、それが自覚できていない、あるいは徹底できていないために売上や利益に十分結びついていないのではないか、と懸念しているのです。

ここで、差別化について理解を深めたいと思います。

市場競争に勝つためには「競争に勝てる他社との違いづくり」=競争戦略が必要です。この「競争に勝てる他社との違いづくり」として、ポーター教授が唱えた競争戦略の4類型があるわけですが、このうちコストリーダーシップ戦略は「圧倒的な」低価格の実現が求められます。
中途半端な低価格では、コストリーダーシップ戦略とは言えません。従って、中小企業が採る戦略としては難しい側面があります。
これは、市場を特化したコスト集中戦略でも同様でしょう。

そうすると、中小企業はやっぱり差別化戦略、あるいは差別化集中戦略が常套手段ではないかと思います。

差別化とは独自性

ここでいう差別化とは、一言で言えば独自性です。ただ、「競争に勝てる他社との違い」として認めることのできる独自性でなければなりません。

こういうと、それほどの独自性は当社には見当たらない、という諦めの言葉が聞こえてきそうです。
しかし、安心してください。絶対にありますから。そうでなければ、そもそも売上が立ちません。

商品・サービスを買ってくださったお客さまは、どんなことであろうと、とにかく何らかの価値を認めたからこそ、他社ではなく貴社からその商品・サービスを買ったのです。その価値は「競争に勝った独自性」なのです。

冒頭で、懸念の第1として差別化はしているが自覚できていない、ことを取り上げました。「えっ」とか「あっ」と思ったなら、自覚できていない証拠です。
先ず、その「競争に勝った独自性」は何なのか。当社のどこにあるのか。しっかり探索しましょう。

探索のヒントとして、バリューチェーン分析というツールがあります。これもポーター教授が提唱しました。

このツールは、当社内の諸活動のつながり(チェーン)の中から、お客様が評価してくれた当社の価値(バリュー)が産み出されていると考えます。そして、その価値を産み出している活動を特定するために、当社内の諸活動を購買物流、製造、出荷物流、販売・マーケティング、サービス、全般管理、人的資源管理、技術開発、調達活動に分けて考察します。

直ぐに思いつくのは、取り扱う商品が持っている機能が価値を産んでいるということでしょう。
しかし、取り扱っている商品は汎用品だけれど、痒い所に手が届くきめ細かいサービスが評価されて、どうせ買うなら他社ではなく当社から買うということもあるのではないでしょうか。むしろ、中小企業はこのような類のことが多いかもしれません。

差別化ポイントはお客様目線で探索する

このとき注意すべきは、当社にとっては当たり前のことが世間でも当たり前とは限らないことです。

当社にとっては特別なことではなかったり、苦もなくできたりするために、他社も当然にやっているだろうとか、お客様がこんなことに価値を見い出すとは思えないとか、そういうふうに考えてしまうことが良くあります。
しかし、決してそうとは限らないのです。当社にとっては当たり前のことが、世間から見ればもの凄いということは十分あり得るわけです。

当社の独自性が何で、どこに所在しているかを探索するときには、当社目線で探索することはやめましょう。
飽くまでお客様にとって、それが価値と感じられるかが大事なわけですから、お客様目線で探索しなければならないのです。

このようにして得られた探索の結果は、しっかり自覚しましょう。そして、それが売上や利益にどう結びついているのか、いないのかを考えてみましょう。

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