顧客を意識しVRIOの観点から差別化を徹底する

補助金支援

皆さん、こんにちは!
社長リタイアサポーターの松田浩一です。
中小企業が生き残り、社長の幸福な引退に向けたストーリーをつくる上で差別化が重要なことは勿論ですが、それをどこまで徹底できているでしょうか。本稿では、徹底のポイントを説明しています。ぜひお読みください。

VRIO分析とは

多くの中小企業は、まず自社の差別化ポイントを自覚することが重要です。もしそこに不安があるならば、差別化ポイントが自社の活動のどこに存在しているかを探索することから始めましょう。

次に重要なことは、せっかくの差別化がどこまで徹底されているか、ということです。いいかえると、どこまでライバルに通用する強みなのか。それもできるだけ長い期間にわたって。
この差別化ポイントを見極めるヒントとして、VRIO分析というツールがあります。これはアメリカのバーニーという学者が提唱しました。

余談ですが、日本の経営学はアメリカの経営学の影響を大変に受けています。

しかし明治維新以来、日本はヨーロッパの列強を参考にして国づくりをしました。そのため企業の体制や運営、労使関係も、アメリカよりヨーロッパに親和性があるように思われます。
なので経営学も、ヨーロッパの経営学をもっと参考にしてはどうかと考えますが、ただ、現実に私たちが巷で学べる経営学はアメリカ流です。

ですから、アメリカ経営学を参考にするときは、よく吟味して使いこなす必要がありますよね。
話が脇にそれましたので、元に戻します。

Vは、その差別化ポイントが顧客にとって価値あるものか、を示しています。
Rは、世の中を見渡したときに希少(ものめずらしい)といえるか、を示しています。
I は、差別化ポイントをライバルが模倣(マネ)しにくいか、を示しています。
Oは、十分に差別化の武器として使いこなせるだけの組織としての体制が整っているかを示しています。

Vから順に検討していくことで、神通力のほどを見極めていくことができます。

顧客を意識する

先ずVです。価値があるから差別化ポイントして列挙したのであって、だからVは難なくクリアと思いたくなりますよね。
しかし、価値があると判断し列挙したのはお客ではありません。所詮は、お客の購買行動をみて、自社が勝手に判断しただけのことです。だから、独りよがりになっている危険性があるのです。

一番良いのは、お客へ直接に聞くことです。
飲食店で見かけるアンケートとか。よくありますよね。

しかし、実はこれ、結構難しいんです。よく考えて質問しないと、お客の声を拾うせっかくの機会が逆に、自社の目を曇らせることにもなりかねないのです。この辺りはまたの機会に。

Rは、業界を良く見渡せば客観的に判明してくるのではないでしょうか。

次いで、I。模倣しやすければ、せっかくお客から良いと評価されても、ライバルがすぐにマネしますから。そうすると戦えなくなりますよね。大変重要です。

だから、マネしにくいものを!っというのは簡単ですが、これがなかなかに難しい。
製品やサービスそのものを模倣困難なものにするためには、そのバックボーンとして、しっかりした技術や技能が必要となります。
でも、これは一朝一夕に形成されるものではありません。

中小企業の社長に話を伺うと、強みは技術や技能、という返答が良くあります。中には自慢話になっているものもあります(笑)。しかし、これはある意味、正しい反応なんでしょうね。

ただ、勘違いしたくないのは、お客は技術や技能自体を求めているわけではないということです。

技術や技能は、お客が求めているモノを実現する手段にすぎません。だから、技術や技能が優れているだけではダメということになります。手段である技術や技能を使いこなし、お客が求めているモノを実現して、初めて顧客にとって価値があることになります。

もっとも、一人で使いこなしたところで知れていますから、そこで、技術や技能を使いこなす力が組織として要求されます。すなわちこれが、最後のOです。

貴社の差別化ポイントは、VRIOを満たしていますか。

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