皆さん、こんにちは!
社長リタイアサポーターの松田浩一です。
中小企業が生き残りを図り、社長の幸福な引退に向けたストーリーをつくる上で、企業価値を増す「増値力」が必要となってきます。
本稿では、コロナ禍の中でも増値力を発揮し、最高益を更新する企業があることをご紹介しています。ぜひお読みください。
最高益を更新するヤオコー
コロナ禍の中でも最高益を更新している(しそうな)企業をご存じですか。
日本経済新聞によれば、8月14日時点で最終損益の見通しを開示している企業(金融等を除く)の中で、最高益更新を見込む企業は132社あるとのこと。
もちろん、企業数は前期より大幅に減少しています。しかし、それでも私は132社もあるのか!! という思いです。
最高益更新の連続年数でみると、第1位はヤオコーです。驚くことに27年連続です。
ヤオコーは埼玉県を地盤とする食品スーパーです。ですから、関東地方にお住まいの方でも、ヤオコーをご存じない方は少なくないと思います。
業界トップ企業と連結売上高の規模を比較すると次の通りです。業界の中で飛び抜けて大きいわけではありません(億円未満切り捨て)。
- ライフ(大阪府)
6930億円 *ただし2月決算 - ヤオコー(埼玉県)
4422億円 *ただし3月決算
しかし、連結営業利益を比べると様相が大きく異なります。営業利益率では業界トップクラスに躍り出るのです。
- ライフ 138億円
- ヤオコー 198億円
好業績の背景に、コロナ禍で巣ごもり需要が増えたことがあるのは確かでしょう。
しかし、もともとヤオコーは惣菜に定評がありました。現場の従業員が知恵を絞って、毎日の献立を提案するという取り組みも好評でした。またライフとプライベートブランド商品の共同開発も進めていました。
それらは日本経済新聞の言葉を借りれば、“少子高齢化による「個食対応」を進めてきた”と評価することができるのです。
もっと言えば、ヤオコーが店舗展開してきた地域は、東京に比べると相対的に所得が低く、商品価格を見る目もその分、厳しいと言えるでしょう。
そのような条件下で惣菜やPB、売り場での料理提案という強みを創り出し、磨き上げてきたわけです。それがコロナ禍でも、強さを発揮したといえるわけです。
今後、ヤオコーが最高益を更新し続ける保証は、もちろんありません。
しかし、コロナ禍を逆手に取った一過性の好業績というわけでは決してありませんから、アフターコロナでは一転してヤオコーの勢いが止まる、ということはないでしょう。
やはり強みを磨き上げている企業が強い
以上のことは、ヤオコーだけにとどまりません。
やはり日本経済新聞を引用しますが、“強い小売業は「ポツンと」系”という記事が最近ありました。
その内容は「郊外のロードサイドにポツンと建っている店」を持つワークマン、西松屋などがコロナ禍でも奮闘しており、その秘訣として「人口が少なく、所得水準も都心に比べて低い地域でも商売をやっていける経営力を身につけたから」と、上記と全く同じ趣旨が解説されています。
ちなみに、日本経済新聞は「厳しい環境が流通革命を引き起こす企業を育てる」と締めくくっています。
今は緊急事態ということで、国策により多額の資金を借り入れることができます。そうやって、耐え忍んでいる企業が多いことでしょう。
しかし、いずれ借入金を返済しなければならない時が必ず来ます。その時までに業績を立て直さねばなりません。今こそ本腰を入れて自社の真の強みは何か探究し、それを磨き上げるべきと思うのですが、如何でしょうか。
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