重視すべきは売上か利益か

補助金支援

皆さん、こんにちは!
社長リタイアサポーターの松田浩一です。
中小企業が生き残り、社長の幸福な引退に向けたストーリーをつくるために売上と利益、どちらを重視すべきでしょうか。本稿では、この悩ましい問題についてどう考えるべきかを述べています。ぜひお読みください。

売上と利益は二者択一の関係か

多くの中小企業は売上規模が小さいこともあって利益の規模も小さく、そのため何か異変が起こると直ぐに赤字になり、ひいては社長の幸福な引退を左右してしまうと、私は考えています。

そうすると中小企業はやっぱり、売上規模を大きくすることを考えなければならないのかと、皆さん思っていただけると思います。
もっとも、この意見には反対論もあるんです。中小企業経営の、いわば生命線ともいえるものが売上だと考えるのは勘違いで、売上しか頭にないと経営を誤るという類いの指摘があります。 

実は私、この指摘が間違っているとも思っていません。
はぁ? と聞こえてきそうです(笑)。混乱させるようで申し訳ありません。順を追って説明しますね。

売上規模が小さい

利益規模が小さい

赤字になりやすい

引退を左右

と説明してきました。これは逆から考えると、次のように言うこともできますね。 

幸福な引退を邪魔されたくなかったら、赤字になりにくくすればよい。

そのためには利益が出るようにすればよい。

利益さえ出れば良いのだから、売上規模が小さくても経費削減すればよい

これは決して間違ってません。その通りです。だから、売上こそが生命線と考えるのは勘違いという指摘を私は全面的に否定しません。
ただ、よくよく考えてみてください。経費削減というか、経費をコントロールすることはとても大事ですが、中小企業の経費って、そもそもそんなに多いですか? コントロールするにしても限度がありますよね。

そして何よりも、利益の源泉は売上です。
仮に売上がすべて利益になるとしても、利益規模が売上規模を上回ることはありません(もちろん、ここでは一旦、営業外収益や特別利益といった特殊事情は忘れてくださいね)。
完璧に経費をコントロールして計上できる利益より、さらに利益規模を大きくしたいと考えるなら、もはや売上規模を大きくするしかありません。

結局、売上だけが頭にあって、経費をコントロールして利益を出す努力を忘れているようではいけないけれども、だからと言って、売上を大きくすることから逃げるわけにはいかないというのが私の結論です。ご理解いただけたでしょうか。

繰り返しますが、利益が出なければ社長の幸福な引退が左右されるので、利益を出すことは大事です。利益が出なければ意味はないので、利益が出る工夫は必要です。
そして利益を出すための工夫の一つとして、経費コントロールと並んで売上拡大が求められる。つまり二者択一ではない。要はバランスであるということです。

生産性の重要さ

ということで、売上を上げて、利益も出るようにして、ということに帰結する運びとなりました。そうすると次は?当然、それをどうやって実現するんだ、という方法論になりますよね。

ここで私が注目したいのが、生産性という考え方です。

生産性は、投入したインプットと産出されたアウトプットの比率として求められます。産出されたアウトプット=企業がつくりだした付加価値を、投入したインプット=従業員数や投下された労働時間で割った労働生産性は、よく知られている指標です。
しかしインプットは労働だけではありません。機械設備も該当します。そして、この機械設備への投資が労働生産性を向上させる手段として重要性を持ってきます。

2019年版の中小企業白書が、設備投資の売上高への影響と利益への影響をそれぞれ分析していますので、その結果だけ、ポイントを以下にご紹介します。
なお、分析の前提など詳細はここでは割愛しますので、ご了承ください。

設備投資が売上高に与える影響

  • 設備投資の実施から1年後、実施企業は非実施企業と比べて、売上高は低下していた。
  • 設備投資の実施から2年後以降、実施企業は売上高が増加していた。

設備投資が利益に与える影響

  • 設備投資の実施から1年後、実施企業は非実施企業と比べて、総資産利益率(ROA)は低下していた。
  • 設備投資の実施から2年後以降、実施企業は非実施企業と比べて、ROAが改善していた。

もちろん、設備投資は投資回収のリスクを負うことになります。しっかり考えた経営戦略なしに投資してしまうと、先に述べた利益を出す工夫をおろそかにした結果になってしまいます。
しかし、しっかり考えて実行するならば、設備投資によって生産能力が増します。受注できるにもかかわらず能力がないために仕事を取りこぼすという事態を避けられ、売上高を増やすことが可能になります。
また、生産の効率が良くなりますから、同じアウトプットを得るために投下すべきインプットを減らすことができ、利益を増やすことが可能になります。

このように売上を上げて、利益も出るようにするための方法論として、私は生産性、その有力な手段として設備投資に注目しています。

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