中小企業はどこで差別化を図っているか

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皆さん、こんにちは!
社長リタイアサポーターの松田浩一です。
中小企業が生き残り、社長の幸福な引退に向けたストーリーをつくる上で差別化が重要ですが、皆さんは世の中小企業がどういうところで差別化を図っているか、ご存じですか。
本稿では、中小企業白書2020年版に掲載のデータを取り上げ、どういうところで差別化を図っているかご紹介しています。ぜひお読みください。

差別化を図るうえで成果があがったもの

次のデータは、製品やサービスの差別化を図るうえで、企業が2013年以降に特に力を入れて取り組み、成果が上がったものを上位三つまで回答してもらい、そのうち労働生産性の上昇幅が大きかった回答を取り上げたものです。ここでは労働生産性は、営業利益と人件費と減価償却費と賃借料と租税公課の合計額を従業員数で割って算出されています。

先ず卸売業の結果です。上位から順に以下の通りでした。

  1. 製品・サービスの高機能化
  2. 広告・プロモーション強化
  3. 新規出店・事業所開設

次に小売業です。やはり上位から順に以下の通りでした。

  1. 用途・デザイン・操作性で差別化された製品の開発
  2. 特定顧客向けの製品・サービスの開発
  3. 類似のない新製品・サービスの開発

つづいてサービス業です。上位から順に以下の通りでした。

  1. 用途・デザイン・操作性で差別化された製品の開発
  2. 特定地域向けの製品・サービスの開発
  3. 特定顧客向けの製品・サービスの開発

製造業は少し変わっていて、上位から順に以下の通りでした。

  1. その他
  2. 付帯製品・サービスの開発
  3. 特定顧客向けの製品・サービスの開発

1位の「その他」には「ハラル認証取得」や「製造工程における環境負担低減」など、独自の取り組みが多く見られたとのことです。

基本はやはり有効

これらのデータを見て、皆さんはどう思われましたか。
小売業、サービス業、製造業に「特定地域向け」「特定顧客向け」の製品・サービスの開発が挙がっていることに気づかれたでしょうか。

マーケティングの基本にSTP(セグメンテーション、ターゲッティング、ポジショニング)があります。
攻略候補となる市場ないし顧客層を一定の基準で区分し(セグメンテーション)、その中から攻略すべき対象を絞り込み(ターゲッティング)、絞り込んだ対象に対して訴えかける自社の独自性を打ち出す(ポジショニング)というものです。

さきほどの「特定地域向け」「特定顧客向け」の製品・サービスの開発とは、このSTPを実践したことの現れと理解できるのではないでしょうか。

マーケティングの基本を忠実に実践した製品・サービスは、やはり利益をもたらしてくれるのですね。

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